
稽古をするうちに、才能の有無を気にする人がいる。
でも、『武術の才能』なんてニッチな代物、持ち合わせてる人は滅多にいない。
優れて見える人も、大抵は他の資質を転用して上達に繋げてる。
身体が大きい、運動神経が良い、度胸がある、地味な基礎練習に耐えられる…人にはいろんな才がある。
僕の場合は頭脳だった。
身体的な才にはさして恵まれなかったが、頭は並外れて良かったので、師の見せてくれた技術を体系立てて解釈することができた。
本当の意味で武才がある、と感じた稽古仲間はかつて一人だけいる。
体格は僕と同程度、その時点ではズバ抜けて技量が高いわけではなかったが、稽古の発想が並みでなかった。
単純な動作一つの質をどう改良すべきか、そのためにどんな修練を繰り返せば良いか、そういう閃きを生み出せる才覚があった。
しばらく師匠の下で共に稽古し、じきに離れていってしまったが…あの人、武道もうやってないのかなあ。
古武道萬葉塾HP
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