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肉体を虐める、の続き

肉体を虐める、の続き

少年部に体力強化のための補強運動を導入したことは『肉体を虐める』の回に書いた。
やり方は色々試してみたところ、中段廻蹴でのタバタトレーニングに落ち着いた。
全速全力の蹴りを20秒間連続、そして10秒間つかの間の休憩、これを8セット連続で行なう。
きっちりやればこれはメチャメチャきつい、3セット目くらいでもう喋ることもできないほどに息が上がる。

取り組み始めてから二ヶ月、少年部が目に見えて変わった。
初めのうちは必死になって汗水垂らすのが格好悪いかのように斜に構えて見せたり、苦しくなってくるとふざけて逃げに入ったりしてしまっていたが、次第に全力を出すことを躊躇わなくなってきた。
あんなに無理、無理言っていた小4男子が「もっと追い込みたい」とまで呟きだす始末だ。
それに伴って稽古全般への姿勢も大きく進歩した。
騒いで走り回るようなこともなくなり、子供にとっては退屈かと思っていた居合の型稽古にも、諦めず頭を使って取り組めるようになってきた。

彼らの精神的成長とトレーニングとの因果関係は証明できないが、やはりこれが大きな一因になっているのは間違いないと思う。
ただ格好良い技を手っ取り早く身に付けるばかりが武術ではない、ということがやっと伝わった。
月並みな物言いだがやはり、肉体の苦痛に自ら進んで挑むことで鍛えられるものがあるのである。


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肉体を虐める

肉体を虐める

筋力に頼らない武術などと嘯いてはいるものの、ただ楽に身に付くコツの寄せ集めになってはしょうがない。
特に少年部。
10月にもなってちょいと動いただけで『汗かいちゃった、冷房つけて!』と言われた時にはこれはマズイと反省した。
武道の稽古が汗もかかないものだと思われている。

というわけで、最近小学生たちには少々キツめに肉体を追い込む稽古を取り入れてみている。
時間を区切って息が上がるまでミット打ち、動的、静的両方の補強トレーニング。
空手道場や体操教室の子供たちに比べればお遊びみたいなレベルだが、技術に偏って体育的な側面をおざなりにするのも良くないと考え直した。

どんなに技術があったって、ちょいと疲れたくらいでそれが発揮できない気力、体力では役にも立たない。
好きで決めた目標に向かっての苦痛を楽しむこと。


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合わせる

合わせる

少年部の彼らにはまだ、他人と動きを合わせるというのが難しいらしい。
つい我が出て、自分の速さ、強さを示すような動きになりやすい。
僕自身も思い当たるところはある。
初心の頃にはそんな余裕はなかったし、そこそこ上達してからは何で自分より下手な奴に合わせなきゃいけないんだと思っていた(笑)

だけど、それはもちろん違う。
合わせられる、ということは相手の動きが全て観えているということだ。
自分の身体を完全に制御して等速に動くことができ、相手の急な加速や想定外の乱れにも即座に対応できるということだ。
それは時に、相手を一方的に斬り伏せるよりも難しい。


まあ、今はそんなややこしいことは解らなくてもいいんだけどね。
何でもかんでも相手に合わせて慣れ合いになっても意味がない。
新しく後輩が増えるたびに、ちょっとずつ。


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木刀は危ない

木刀は危ない

少年部を始めるにあたって、さて八歳に木刀を持たせて大丈夫なものか、というのをまず考えた。
剣にしっかり身体を乗せた打ち込みは、当然かなりの危険を伴う。
素手の柔術を中心にして稽古を組み立てるか、竹刀やソフト剣の類を導入するべきか?
色々と思案してみたが、そもそも木刀が真剣の代替物であるし、これ以上本質から遠ざかるのは何か違うように思えて、結局大人と同じ白樫の木刀を用いることにした。
最初の頃は力任せに振り回してそれはそれで危なかったし、今では技術によって充分人を殺傷できる威力が出せるようになってきている。

根底には、危険なものを危険なままに体験してほしい、という考えがある。
もちろん、指導する側がかなり注意して安全対策を講じる必要はある。
子供同士の木刀での打ち合いはまだ許さず、打太刀は僕や大人の会員が務めることにしている。
当人たちは、その武器が他人に致命傷を与え得るということをまだ明確に自覚してはいないだろう。
それでもいつか自分たちのしていることの危険がちゃんと認識出来たら、今度はその危険に対処することができるようになる。
せっかく競技化されていない古武道というものを学んでいるのだから、そういう経験を大切にしてもらいたい、と思っているのである。


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少年部・開講一周年

少年部・開講一周年

少年部を設立して、この二月で丸一年になる。
去年の年明け頃、小学三年生からの入会希望があり、大人と一緒の稽古は難しいと判断して別に開講することにした。
今は同い年の男子が三人通ってきているが、なにせ八歳である。
こんな年若い弟子に教えた経験はなかったから、どうしていいものやらこちらも手探りで稽古を組み立ててやってきた。

思うところは多々あるが、やはり難しいのは頭を使って稽古の質を高める、という習慣を教えることだと感じている。
頭を使うといってもそれは戦術・戦略の類ではなく、一見して同じ動作をするにも身体のどこを主体的に意識するか、型に込められた課題をどう引き出していくか、といった根幹に関わる部分のことだ。
三年生にはまだ難しい考え方だろうが、古武道の枠を越えた時にも是非伝えておきたい学びの姿勢であると思っている。

とはいえ今のところ、一本目の型を教えた途端に『できた!二本目教えて!』という調子。
もうしばらく、気長に見守る必要があるようである。


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プロフィール

ピンクさむらい

Author:ピンクさむらい
東京都武蔵野市にて、古武道萬葉塾を主宰。

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