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脱力の先

脱力を知る作業は土地を均すのに似ている。
無駄なこわばりや染みついた体癖を抜き去り、まずは混じり気のない更地を整える。

ここまででも充分に大変だが、その先はそこにしかるべき力の道筋を通さなくてはならない。
局所的な発力に頼らず、深部から身体を繋ぎ、柔らかくかつ力強い流れを作っていく。
それはただ力を抜き去るだけで得られる受身の柔らかさとは違う。
動作に際してプラスに働く身体内部のその力感を、氣と表現する人もいるかもしれない。

力に頼らないということは、どれだけ力を巧く遣えるかの勝負ということでもある。


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武士の家計簿

簿記

とりわけ毎年この時期になると実感するのだけれど、身につけておいて本当に良かったと思う技能は『簿記』である。
僕はたかだか日商簿記2級を持ってる程度だが、この知識がなかったら道場の収支をどうやって取りまとめていたか解らない。
もともとは大学で履修した会計学の講義がめちゃめちゃ面白かったことから検定を受験し、加えてその後日本舞踊の稽古場の雑務・経理担当として実務に携わることができたのも幸いした。
月謝の管理や、稽古道具の仕入・販売等、必要な会計処理は全部この職場で身につけた。

是非、学校を出る前に誰もが基礎的な経理の知識を身につけておいた方が良いとつくづく思う。
人の下で働くにせよ、自分で事業を興すにせよ、最低限の仕組みを知らないとどこかで損をすることになる。
古武道なんかできなくても生きていけるから、それより簿記のお勉強をしよう。


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初心者に教える

初心者に教える

ありがたいことに、ここ最近新規入会者が相次ぎ、稽古場に新人が増えてきた。
萬葉塾の指導方針としては、当然といえば当然なのだけれど、なるべく初心の内から理に適った丁寧な稽古をしてもらう、というのを心掛けている。

型稽古においてはただ何となく素早く動く、力いっぱいに強い剣を振るう、そういう雑な動きが存在してはならない。
常に自分の動作一つ一つの仕組みを問い直し、型に込められた学びを見つけるべく考え続ける必要がある。
もちろん初心者の理解度なんてたかが知れているから、そこまで体現できなくて一向に構わない。
それでも、『型で稽古する』ということのために必要な取り組みの姿勢を、早い段階で気づいてほしいのだ。

そして結局のところ、その方が後々になって教える側も楽になる。
今、始めて二年を過ぎたくらいの会員同士が、僕がさほど口出ししなくてもしっかりと型と向き合い、濃密な組太刀の稽古をしてくれている。
新人にこそ細かく稽古の筋道を説き、上達するにしたがって指導者が目を掛け過ぎずとも自ら考えて発見できるようになってもらう。
そんなのが理想かな、と思っている。


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プロフィール

ピンクさむらい

Author:ピンクさむらい
東京都武蔵野市にて、古武道萬葉塾を主宰。

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