
居合稽古で用いる模擬刀の鞘は、使っているうちに金属製の刀身に削られていき最悪割れてしまうことがある。
常に鞘を傷めない綺麗な稽古が出来ればそれが一番いいのだけれど、初心の頃から使っている道具ではなかなかそうもいかない。
亀裂の入った鞘を、これ以上広がる前に補修してやることにしよう。
籐を巻くのが王道のようだが、面倒くさいし仕上がりをあまり太くしたくないので、今回は簡単にいくことにする。
まずは鯉口周りの塗装を落として、亀裂と凹みを木屑とボンドを混ぜた即席パテで埋めてやる。
乾燥してから紙ヤスリを掛けると、この時点でしっかり硬化してツルツルになった。

削れてしまった内側もボンドで補強しておく。

黒のアクリル絵の具で塗装して、クリアスプレーを吹き付けて、ヤスリ掛けして、またスプレーして、繰り返すこと数週間…


完成!
質感に違いは出たが、握った太さには違和感なく仕上がった。

ただし、一度亀裂が入ったものを無理矢理固めているだけなので、以前よりも強度が落ちているのは否めない。
万全を期するなら籐巻き等でしっかり固めた方がいい。
遣い手の今後の力量を信頼した上で最低限に留めた補修である。
古武道萬葉塾HP
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