fc2ブログ

武術の才能

武術の才能

稽古をするうちに、才能の有無を気にする人がいる。
でも、『武術の才能』なんてニッチな代物、持ち合わせてる人は滅多にいない。
優れて見える人も、大抵は他の資質を転用して上達に繋げてる。
身体が大きい、運動神経が良い、度胸がある、地味な基礎練習に耐えられる…人にはいろんな才がある。
僕の場合は頭脳だった。
身体的な才にはさして恵まれなかったが、頭は並外れて良かったので、師の見せてくれた技術を体系立てて解釈することができた。

本当の意味で武才がある、と感じた稽古仲間はかつて一人だけいる。
体格は僕と同程度、その時点ではズバ抜けて技量が高いわけではなかったが、稽古の発想が並みでなかった。
単純な動作一つの質をどう改良すべきか、そのためにどんな修練を繰り返せば良いか、そういう閃きを生み出せる才覚があった。
しばらく師匠の下で共に稽古し、じきに離れていってしまったが…あの人、武道もうやってないのかなあ。


古武道萬葉塾HP
スポンサーサイト



古武道とフルコン

古武道とフルコン

我々の本分は剣を用いての古武道だけれど、少年部においてはフルコンタクト空手の練習法をちょっぴり取り入れている。
とはいえ僕自身が本格的に空手を学んだわけでもないので、基礎的なミット打ちの類くらいなのだが、それでも子供たちが得られるところはすごく多い。

己の拳足を思い切り叩きつける。
ミット越しとはいえ打たれた方も、打った方もそれなりに痛い。
木刀の剣術では慎重にならざるを得ない、全力を乗せた打ち込みが体感できる。
威力の増大という確かな上達の実感が、生の皮膚感覚で味わえるのは大きい。
それに侍の時代じゃあるまいし、例えば彼らが学校で出くわすトラブルから身を護ってくれるのは、剣よりも徒手の格闘技術であることの方が多いだろう。

時折僕が犠牲になって、ミットなしの生身を好き放題に殴る、蹴る練習をさせてやることもある。
初めは躊躇していた子も、次第に遠慮のない重い打撃を当てられるようになっていく。
無闇に暴力を振るわないのと、ただ人間を打つ度胸がないのは違う。
彼らの成長が嬉しいんだけど、先生アザだらけ。


古武道萬葉塾HP
プロフィール

ピンクさむらい

Author:ピンクさむらい
東京都武蔵野市にて、古武道萬葉塾を主宰。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR